AIを使って高配当株を絞り込んでいると、必ずぶつかる壁があります。それは、「すべての条件を満たす、完璧な銘柄はほとんど存在しない」ということです。

今日は、私がAI(Claude)で高配当株をスクリーニングするときに、どうやって"妥協点"を見つけているかを書いてみます。派手なテクニックの話ではなく、現実的な落としどころの話です。

(※特定の銘柄をすすめる記事ではありません。指標や条件はあくまで私の考え方で、投資の判断はご自身の責任でお願いします。)

私のスクリーニングの流れ(ざっくり)

まず、私のやり方を簡単に。細かい指標の中身は連載①にまとめているので、ここでは流れだけ。

  • 証券会社のスクリーナーで、粗い条件をつけて300〜400件ほどの候補をCSVでダウンロードする
  • そのCSVを、そのままClaudeに読ませる
  • 「この指標がこの条件を満たすものを選んで」とお願いして絞り込ませる
  • 結果を資料としてPDFにまとめてもらう

この一連の作業を、基本的にすべてClaude上で完結させています。手作業で何百件も見ていくのは大変ですが、この"処理"はAIがとても得意なところです。

現実:全部を満たす銘柄は、ほぼゼロ

ところが、厳しめの条件をすべて当てはめると、残る銘柄がほとんどゼロになることがよく起こります。売上も利益も伸びていて、利回りも高く、財務も盤石で、割安で……そんな"全部入り"の優等生は、そうそう見つかりません。

ここで「条件を満たす銘柄がない=おしまい」ではなく、どの条件を守り、どの条件を緩めるかを考える。これが、AIスクリーニングで一番大事な"人間の仕事"だと感じています。

私が「絶対に譲らない」条件

私には、ここだけは緩めない、という軸があります。

  • 売上高とEPS(1株あたり利益)が伸びていること……事業そのものが成長しているか。ここが右肩下がりだと、配当を続ける土台が揺らぎます
  • 配当利回りが3%以上……そもそも「高配当」を目的にしているので、ここは外せません
  • 過去10年、減配していないこと……不景気のときも株主への還元を守ってきたか。長く付き合ううえで、私がいちばん重視する点です

この3つは、いわば"その会社を信頼できるか"の根っこ。ここを妥協すると、高配当株投資の目的そのものがブレてしまう気がしています。

私が「緩めてもいい」条件

逆に、状況によっては緩めることがあるのが、次のような条件です。

  • PER(割安さの目安)の基準……安いに越したことはありませんが、成長している会社は多少高くなりがち。ここを厳しくしすぎると、良い会社まで落ちてしまうので、幅を持たせます
  • 自己資本比率……財務の健全性の目安ですが、適正な水準は業種によって大きく違います。一律の数字で切ると、その業種では普通なのに弾かれてしまう。だから、業種の性質を見ながら判断します

AIに条件を少しずつ変えて出し直してもらえるので、「この条件をここまで緩めると、候補が何件くらいに増える」といった感触を、何度も試しながらつかんでいきます。手作業だと面倒なこの"出し入れ"を気軽にできるのが、AIを使う一番のありがたみかもしれません。

それでも、AIに任せないこと

ここまでAIをフル活用していますが、AIにやってもらうのは「候補の選定」までと決めています。最終的に「買うかどうか」の判断は、必ず自分でします。

「この銘柄は上がりますか?」「今が買い時ですか?」といった株価の予想や売買タイミングは、AIに聞きません。そこはAIにも誰にも分からない領域ですし、任せてしまうと投資が"他人任せ"になってしまうからです。AIは、面倒な処理を肩代わりしてくれる優秀な相棒。でも、責任を取るのは自分——この線引きは、これからも変えないつもりです。

使っているAIについて

いまはこの一連の作業を、基本的にClaudeで行っています。長い資料を読ませたり、条件を細かく調整したりする作業と相性が良いと感じているためです。とはいえAIは日進月歩の世界。今後もっと得意なAIが出てくれば、そのときは乗り換えも検討したいと思っています。道具は、そのときいちばん使いやすいものを選べばいい、というくらいの気楽さでいます。

まとめ:完璧を探すより、納得できる妥協点を

AIを使った高配当株のスクリーニングで学んだのは、逆説的ですが「完璧な銘柄を探そうとしないこと」でした。

すべての条件を満たす銘柄は、まず見つかりません。だからこそ、譲れない軸を決めておき、それ以外は現実に合わせて緩める。その"妥協点"を自分で決められるかどうかが、銘柄選びの質を左右するのだと思います。AIは、その判断材料を素早く用意してくれる心強い相棒。でも、決めるのはいつも自分。そのスタンスだけは、忘れないようにしています。

私が実際に使っている指標の中身(11の指標)は、こちらにくわしく書いています。
▶ 高配当株130銘柄をAIと18銘柄まで絞った全プロセス|私が使った11の指標

そもそもなぜインデックス投資の次に高配当株を選んだのかは、こちらに書いています。
▶ 【つみたて3年目】インデックス投資の「次の一歩」に高配当株を選んだ理由

AIを投資にどう使っているか、全体像はこちらのロードマップにまとめています。
▶ 会社員投資家のAI活用ロードマップ|ChatGPT・Claudeで投資をどう変えるか