新NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠があります。そして、成長投資枠のほうは、個別株や高配当株を買うのに使う——そう考えている方が多いのではないでしょうか。私も、始める前はなんとなくそう思っていました。

でも、私は今、つみたて投資枠も成長投資枠も、両方ともインデックス投資(全世界株)に使っています。成長枠を使って個別株を買うことは、あえてしていません。高配当株はやっていますが、それはNISAの外——特定口座のほうでやっています。

「せっかくの成長枠がもったいない」「高配当株こそNISAで非課税にすべきでは?」と思われるかもしれません。今日は、私がなぜこの形にしているのか、その理由を正直に書いてみます。

(※これは私個人の考え方であり、特定の投資方法をすすめるものではありません。NISAや税金の扱いは変わることもあるので、最新の情報は必ず公式サイトなどでご確認ください。投資の判断はご自身の責任でお願いします。)

まず、私の口座の分け方から

理由の前に、私が実際にどう分けているかを紹介します。じつは私、けっこう極端に分けています。

NISA(インデックス投資)は、楽天証券。ここでは、オルカン(全世界株のインデックスファンド)を中心に、つみたて投資枠でも成長投資枠でも、ずっとインデックスを積み立てています。

高配当株は、SBI証券の特定口座。個別の高配当株は、こちらでまとめて、1株ずつコツコツ買っています。NISAの枠は一切使っていません。

しかも私は、証券会社だけでなく、ひもづける銀行口座まで完全に分けています。「NISA・インデックスの世界」と「高配当株の世界」を、口座ごと、まるっと別にしているイメージです。ここまで分けているのには、あとで書くような、私なりの理由があります。

なぜ、非課税枠を”インデックス”に使うのか

NISAのいちばんのメリットは、利益や配当に税金がかからないこと(非課税)です。ふつう、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISAの中ならそれがかからない。この恩恵を、私は「いちばん効果が大きいところ」に集中させたいと考えています。

では、私にとって「いちばん効果が大きいところ」はどこか。それは、長期でいちばん大きく育つと思っているインデックス投資です。

インデックス投資は、私にとって基本的に「一度買ったら、ずっと売らずに持ち続けるもの」です。何十年という時間をかけて、じっくり大きく育てていくつもりで持っています。だとすれば、その長い時間ぶんの値上がりに税金がかからない、という非課税の恩恵を、いちばん長く・いちばん大きく受けられるのは、このインデックスだということになります。

限られた非課税枠を、どこに使うか。私は「いちばん育つと信じているものに、集中して使う」。だから、つみたて枠も成長枠も、まとめてインデックスに充てているのです。

なぜ、高配当株は”あえて特定口座”なのか

一方で、高配当株をNISAに入れないのは、いくつかの理由があります。

①将来、売ったり入れ替えたりする可能性があるから。インデックスは基本的にずっと持ち続けますが、高配当株は、状況によっては売却や銘柄の入れ替えを考えることもあります。「ずっと持つ」とは言い切れない。だとすると、”長く持ってこそ活きる”NISAよりも、売り買いが気楽にできる特定口座のほうが、私には合っていると感じています。

②高配当株は「配当を受け取って使う」楽しみもあるから。私にとって高配当株は、何十年も先の老後まで、ひたすら育て続けるだけのものではありません。受け取った配当を、ときには生活の中でちょっと使う——そういう”今を楽しむ”側面もあります。「遠い将来のために最大化するNISA」とは、そもそも役割が別なのです。だから、NISAとは別の口座で持つほうが、自分の中でしっくりきます。

③特定口座だと配当に税金はかかるが、そこは割り切っている。正直に言えば、高配当株を特定口座で持つと、その配当には約20%の税金がかかります。「NISAで持てば、その配当も非課税になるのに」というのは、そのとおりです。でも私は、高配当株を”資産の中心(コア)”ではなく、”そのまわりを彩るサテライト”だと位置づけています。楽しみや心の張り合いのための部分。だから、そこにかかる税金は、必要なコストとして割り切っています。

口座を分けると、「気持ち」も整理される

ここまで理屈を書いてきましたが、じつはいちばん実感しているメリットは、もっと感覚的なものです。それは、口座を分けること自体が、管理と気持ちの整理になるということ。

「楽天証券を開いたら、そこはインデックスの世界。淡々と積み立てて、あとは基本ほったらかし」。「SBI証券を開いたら、そこは高配当株の世界。1株ずつ買い増して、配当を眺めて楽しむ」。こんなふうに、口座ごとに役割がはっきり分かれていると、頭の中もスッキリします。

枠ごと・口座ごとに「ここはこれをやる場所」と決まっているので、毎回「どっちの枠で何を買おう」と迷うことがありません。資産の中心であるコア(インデックス)と、そのまわりのサテライト(高配当株)が、数字のうえだけでなく、気持ちのうえでもきれいに分かれている。この”迷わなさ”が、長く続けるうえで、思った以上に効いていると感じています。

ただし、「これが唯一の正解」ではありません

大事なことを書いておきます。ここまでが私のやり方ですが、これが誰にとっても正しい、というわけではまったくありません。

たとえば、「NISAの成長投資枠で高配当株を買い、その配当も非課税で受け取る」という選び方は、とても合理的です。配当にかかる約20%の税金がまるごと非課税になるのですから、それを目的にNISAで高配当株を持つ人が多いのも、よく分かります。私のやり方とは逆ですが、どちらが正しい・間違い、という話ではありません。

私が「NISAはインデックスに集中」を選んでいるのは、あくまで「自分は何を、どういう時間軸で持ちたいのか」を考えた結果です。長く売らずに育てたいインデックスを非課税枠に置き、売り買いも配当も楽しみたい高配当株は課税される特定口座に置く。この役割分担が、私の性格や目的にいちばん合っていた、というだけの話です。

非課税枠の”正解”は、人それぞれ。何を重視するか、どのくらいの期間で考えるかによって、最適な形は変わります。だから、「成長投資枠=個別株や高配当」と思い込む必要はありませんし、逆に「インデックスに集中すべき」と決めつける必要もありません。自分に合う形を選べばいい——これが、いちばん伝えたいことです。

まとめ:枠に「役割」を決めると、迷わなくなる

私は、新NISAのつみたて枠も成長枠も、両方ともインデックス投資に使っています。理由は、非課税の恩恵を、長期でいちばん大きく育つと信じているものに集中させたいから。そして高配当株は、役割が別なので、あえてNISAの外(特定口座)で、口座ごと分けて楽しんでいます。

この形にしてよかったのは、なんといっても「毎回迷わないこと」です。枠ごと・口座ごとに役割が決まっているので、頭も気持ちもスッキリしています。もちろん、これは私にとっての最適解であって、万人向けではありません。それでも、「成長枠は必ず個別株に使わなきゃ」と縛られる必要はない、という一例として、どなたかの参考になればうれしいです。

大切なのは、制度の使い方そのものよりも、「自分は何を、どう持ちたいのか」をはっきりさせること。そこさえ決まれば、枠の使い方は自然と決まってくる。私はそう感じています。もちろん投資は自己責任で、制度や税金の扱いは最新の公式情報をご確認くださいね。

私がNISAの中でオルカンをどう積み立てているか(オルカンとS&P500の使い分け)は、こちらに。
オルカンとS&P500、両方積み立てる私の使い分け|なぜ9:1にしたのか

そもそも証券口座をSBIと楽天のどちらで開くか迷っている方は、こちらも参考にどうぞ。
新NISAの口座、SBIと楽天どっちで開く?

そもそもなぜインデックスの次に高配当株を選んだのかは、こちらに。
【つみたて3年目】インデックス投資の「次の一歩」に高配当株を選んだ理由

「配当を受け取って使う」楽しみについては、こちらに書いています。
高配当株の配当金、どう使ってる?|再投資と「ちょっと使う」のバランスを決めた話