暴落に”備える”のは、株ではなく現金|私が投資に回さないお金の考え方
株の暴落に備える、と聞くと、「どんな銘柄なら暴落に強いか」を考えたくなるかもしれません。でも、私がいちばん大事だと思っている備えは、株の選び方ではありません。現金です。
もっと正確に言うと、「投資に回さずに、手元に置いておくお金」をどう考えるか。これが、暴落と冷静に付き合えるかどうかを、大きく左右すると感じています。今日は、私が”投資に回さないお金”をどう考え、どう分けているかを書いてみます。
(※これは私個人の考え方であり、特定の投資方法をすすめるものではありません。適切な現金の量は、収入や家族構成、暮らし方によって人それぞれです。投資の判断はご自身の責任でお願いします。)
なぜ「現金」が、暴落へのいちばんの備えなのか
暴落が本当に怖いのは、資産が一時的に減ること自体ではありません。いちばん怖いのは、不安に耐えきれず、底値で株を売ってしまうことです。安いところで手放してしまえば、その後の回復にも乗れず、損だけが残ってしまいます。
ここで効いてくるのが、手元の現金です。生活に必要なお金がしっかり確保できていれば、株価がどれだけ下がっても、慌てて売る必要がありません。「当面の生活は大丈夫」という安心があるからこそ、暴落のときに”売らずに待つ”ことができる。現金は、その心の余裕をつくる土台なのです。
さらに私は、現金にはもう一つの役割があると思っています。それは、暴落を”買い場”に変えられること。みんなが怖くて売っているときに、手元に余裕資金があれば、安くなった株を買い増すこともできます。現金は「守り」であると同時に、いざというときの「攻め」の弾にもなる。だから私は、現金を”ただ眠っているお金”とは思っていません。
①「生活防衛資金」は、投資と完全に分ける
私が現金を考えるとき、まず土台にしているのが「生活防衛資金」です。これは、万が一収入が止まっても、当面の暮らしを支えられるお金のこと。私はこれを、投資のお金とは完全に分けて、別の口座で確保しています。
なぜ、わざわざ別口座にするのか。理由は単純で、「うっかり投資に回してしまわないため」です。同じ口座に入れておくと、「これも余裕資金かな」とつい投資に使ってしまいそうになります。それでは、いざというときの守りが崩れてしまう。だから、生活防衛資金は”触らない箱”として、物理的に分けているのです。
金額の目安については、私は「生活費の半年分」を一つのラインにしています。私は会社員で、毎月の収入があります。だから、無職の人ほど多くを抱え込む必要はない、と考えています。一方で、家族もいるので、あまりに少ないのも心配です。そのバランスを取って、我が家では”世帯の生活費の半年分”くらいを目安にしています。(※どのくらいが適切かは、その人の収入の安定度や家族構成で変わります。あくまで我が家の場合です。)
②投資は「なくなっても生活が揺らがないお金」で
この生活防衛資金を確保したうえで、私は「残ったお金」を投資に回しています。順番がとても大事で、「まず守りを固めて、余ったぶんで投資」という順番を崩さないようにしています。
言い換えると、私が投資に使っているのは、「最悪なくなっても、当面の生活は揺らがないお金」です。もちろん、なくなってほしくはありません。でも、心のどこかで「これは余裕資金だ」と思えているかどうかで、暴落のときの落ち着きがまるで変わります。生活費そのものを投資につぎ込んでいたら、少し下がっただけで夜も眠れなくなってしまう。そうならないための線引きです。
③暴落を”買い場”にする、待機資金も持っている
じつは私は、生活防衛資金とは別に、暴落のときに買い増すための”待機資金”も、いくらか現金で持っています。これは、さきほど書いた「現金は攻めの弾にもなる」という考え方の実践です。
大きく下がったときに、少しでも安く買い増せると、その後の回復でしっかり報われることがあります。「暴落は、安く買えるチャンスでもある」。そう思えるだけの余力を、あらかじめ現金で用意しておくわけです。
ただし、ここで一つ、自分に課しているルールがあります。それは、毎月の積立額は、現金比率をいちいち気にせず、一定に保つということ。「今は高いから積立を減らそう」「暴落を待って現金を貯めよう」——そんなふうにタイミングを計り始めると、たいてい失敗します。相場を読むのは、プロでも難しい。だから、毎月の積立は淡々と続けて、”待機資金”はあくまでその上に乗せる”おまけの余力”、という位置づけにしています。積立の手を止めてまで現金をため込むことは、しないようにしています。
現金は”持ちすぎ”もよくない、というバランス
ここまで「現金は大事」と書いてきましたが、逆に、現金を持ちすぎるのもよくないとも思っています。
現金は、置いておくだけでは基本的に増えません。むしろ、物価が上がっていく局面では、実質的に価値が目減りしていくこともあります。暴落が怖いからといって、大半を現金で抱え込んでしまっては、資産を育てる機会を逃してしまう。だから私は、「守りに必要なぶんは確保しつつ、それ以上は投資で育てる」というバランスを意識しています。
大切なのは、”多すぎず、少なすぎず”。生活防衛資金と待機資金という「守りの現金」を確保したら、残りはきちんと投資に回して働いてもらう。この配分が、私にとってはいちばん落ち着く形でした。
まとめ:現金比率に「正解」はない
暴落への備えは、株の選び方よりも、まず「投資に回さないお金」をどう持つかだと、私は考えています。生活防衛資金を投資と分けて確保し、投資は余裕資金でおこなう。そのうえで、暴落を買い場に変える待機資金も少し持っておく。この形が、私が暴落と冷静に付き合うための土台になっています。
ただ、最後に強調しておきたいのは、現金比率に唯一の正解はないということです。適切な量は、収入が安定しているか、家族が何人いるか、どんな暮らしをしているかで、まったく変わります。独身で収入が安定している人と、家族を養っている人とでは、必要な”安心の量”が違って当然です。
だから、他人の現金比率を真似する必要はありません。大事なのは、「これだけあれば、暴落が来ても慌てず眠れる」——そう自分が思える量を、自分の暮らしに合わせて決めること。その安心があってこそ、投資は長く続けられるのだと思います。もちろん投資は自己責任で、無理のない範囲で。地味ですが、この”現金の備え”こそが、暴落を乗り越えるいちばんの支えになると、私は感じています。
実際に暴落が来たとき、私が売らずにいられた話は、こちらに書いています。
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